「悲しい」「寂しい」「腹が立つ」
そんな気持ちになったとき、
「こんなことで悲しんじゃだめ」
「もう昔のことだから」
「そんなふうに思うべきじゃない」
と、自分の気持ちを否定してしまうことはありませんか?
私は長い間、そうしてきました。
嬉しい、楽しいはOK。
悲しい、寂しいはできれば感じたくない。
怒り、妬みなんてもってのほか。
無意識のうちに、自分の中にある感情を「これは良い」「これはダメ」と選別していました。
そんな私に、ずっと心に残っている言葉があります。
「じぶんの気もちをえこひいきしない」
数年前、この言葉に出会ったとき、私はとても心を動かされました。
そしてコーチングや自己基盤を学んできて、今、なぜこの言葉があんなに自分に刺さったのか、当時より少し分かるようになりました。
「じぶんの気もちをえこひいきしない」という言葉
この言葉に出会ったのは、伊藤守さん・ほしばゆみこさんの『あなたはあなたが思っているより素晴らしい』という本でした。
コーチングを学び始めた頃、当時のMyコーチからすすめてもらった本です。
その頃の私は、
「私にできるかな」
「私には特別なものなんてない」
と、自信がぐらぐらしていました。
そんなときに読んだこの本の中で、特に心に残ったのが、
「じぶんの気もちをえこひいきしない」
という言葉でした。
当時も「いい言葉だな」と思っていました。
でも今振り返ると、この言葉が心に残ったのは、私自身がずっと自分の気持ちをえこひいきしていたからなのだと思います。
近藤真樹さんの自己基盤講座でも、繰り返しこの言葉を耳にします。
それだけ、私たちは自分の気持ちをえこひいきしがちなんだと思います。
嬉しいはいい。でも、悲しいはダメ
- 嬉しいのはいい。
- 楽しいのもいい。
でも、
- 寂しいのはダメ。
- 悲しいのもダメ。
- 辛いのもダメ。
- 怒るのはもっとダメ。
- 妬むだなんてもってのほか。
私はそんなふうに、自分の感情を「良いもの」と「悪いもの」に分けていました。
特にネガティブな感情が出てくると、
「そんなふうに思っちゃダメ」
「気にしすぎ」
「もう済んだことでしょ」
と、感じている自分を否定する。
感情そのものより先に、
「こんなことを感じている私はダメ」と評価していたのかもしれません。

「まだ悲しいんだ」と気づくだけでもいい
コーチングや自己基盤を学ぶ中で、少しずつ分かってきたことがあります。
それは、感情をすぐに何とかしなくてもいい、ということです。
例えば、ずっと昔の出来事を思い出して、悲しくなることがあります。
以前の私なら、
「何年前の話よ」
「まだ気にしてるの?」
「もういい加減、忘れたら?」
と、自分に言っていたと思います。
でも今は、
「私は、まだこのことが悲しいんだな」
と、まず見てみる。
それだけでもいいと思えるようになりました。
悲しみをなくさなくてもいい。
すぐに前向きにならなくてもいい。
まず、自分の中にその気持ちがあることに気づく。
これは、自己基盤の「未完了」に取り組む中でも、私が大切だと感じていることです。
自己基盤「未完了」とは?ずっと気になっていること、ありませんか?
感情のままに振る舞うことと、感情を感じることは違う
ここで、私がとても大切だと思っていることがあります。
それは、
感情のままに振る舞うことと、自分の感情を大切にすることは違う
ということです。
腹が立ったからといって、誰かに怒りをぶつける必要はありません。
悲しいからといって、その気持ちにずっと飲み込まれている必要もありません。
感情のままに振舞わない方が良い場面はたくさんあります。
でも、
「私、今すごく腹が立ってるんだな」
「寂しかったんだな」
「悲しいんだな」
と、自分が感じていることまで否定しなくてもいい。
以前の私は、この二つを同じように捉えていたのだと思います。
感情のままには振舞わない。けれど、自分の感情をしっかり感じてあげる。
それが大切なんじゃないかな。
気持ちに名前をつける前に、自分の状態を見てみる
この本には、もう一つ印象に残ったことがありました。
悲しい、寂しいと判断する前に、まず自分の身体に起きていることを感じてみる
という考え方です。
胸がギューッとしている。
なんとなく落ち着かない。
身体が重い。
まずは、「今、私はこういう状態なんだな」と見てみる。
自分に何が起きているのかに気づく。
それだけでも、自分との付き合い方は少し変わるのかもしれません。
数年前の私より、自分の気持ちをそのまま見られるようになった
数年前、この本について初めてブログを書いたとき、私は、
「じぶんの気もちをえこひいきしない」という言葉が好きだと書いていました。
その気持ちは、今も変わりません。
でも当時は、この言葉の意味を「頭で分かっていた」という部分も大きかったように思います。
それからコーチングや自己基盤を学び、自分自身のいろいろな感情と向き合ってきました。
- 悲しい。
- 寂しい。
- 腹が立つ。
- 悔しい。
今でも、そんな気持ちは普通に出てきます。
むしろ、自分と向き合うようになったことで、以前よりそれに気づくようになった感覚です。
正直戸惑ってしまうこともよくあります。(自分は性格が悪くなったんじゃ、、とか思います。)
でも、それでいいのだと思っています。
大切なのは、嫌な感情をなくすことではなく、
「今、自分はこう感じているんだな」
と、自分がまず気づいてあげること。
いろんな感情を持っている自分を受け入れる。
感情にえこひいきしない、ということは、自分を大切にすることなんだな。

