父と私とアルコール
先週末実家に帰りました。
ノンアルコールビールを2本買って帰りました。
１本は私が父と一緒に晩酌をするため、そしてもう１本は父にもノンアルコールビールを勧めるため。
5年間にお酒を辞める前までは、帰省すると父と一緒に晩酌をしていました。
私は父の飲み友達でした。
そして、私はお酒を辞めて、父の飲み友達ではなくなりました。
でも、今回はノンアルコールビールで5年ぶりに父と晩酌をしました。
晩酌をしてあげられなくなって、ほんの少し申し訳なさがありました。
でも、ノンアルコール飲料という強い味方ができたので、またお父さんと一緒に話す時間が持てそうです。
嬉しかったな。
そんな時間を過ごして、この4年間の父と私とアルコールについて振り返りました。
私の父
私の父はアルコールの飲酒に問題がある人です。
広義の意味ではアルコール依存症です。
広義と言ったのは、父は仕事はきちんと続けてくれたので、私たちは経済的には不自由のない生活ができたからです。そういう意味では感謝をしています。
でも、自分の飲酒量をコントロールできないことで、私たち家族は随分としんどい経験をしてきました。（今も）
私の断酒
そんな父を見て育ち、絶対そうならない、なりたくないと思っていた私でしたが、気がついたら父親と同じような飲み方、酔い方をしていることがありました。
そんな自分に愕然として、５年前にお酒を辞めました。
父の飲み友達だった
お酒を飲んでいたころ、私は父の飲み友達でもありました。
帰省すると、私の好きなアルコールが実家に準備されていました。
父は自分の好きな飲み屋に私を連れて行きたがったし、私も一緒に行くこともありました。
その私がお酒を辞めたとき、父は寂しかったと思います。
でも、その頃の私はそんなことも気がつかずに、居丈高に飲酒の弊害を説明して、父にも断酒を迫り、アルコール依存症外来を熱心にすすめました。
父はさぞウンザリして、嫌な気持ちになったんじゃないかなと、今なら思います。
父の飲酒傾向はその時々でマシなときと、酷いときがあるのですが、その頃はすごく酷くて、実家が、父が、母が、崩壊するのも目前のように感じていました。
実家帰るたびに父と、そして母とも言い争いをしていました。
しんどかった。
アイスクリームがあった
あるとき、私が昔好きだったアイスクリームが実家の冷蔵庫に入っていることに気がつきました。
父が買っていたんですね。
私が実家にいたのは高校生まで。だから、そのアイスクリームは私が高校生のときに好きだったものです。
四半世紀も前に娘が好きだったものを買ってくれている父。
その愛情が嬉しいのと切ない。その愛情があるのに、だったらなんで私の願いを聞いてくれないんだろう。そんなやるせなさ。
そういう父への愛情を感じたし、このままほったらかしにはしたくない。
でもどうすれば良いのか分からない。
例え家族であったとしても、本人のためと思ったとしても、他人を自分の思うまま（飲酒をやめさせる。アルコール依存症外来に行かせる）にはできない。
それが、もどかしくてしんどい時期でした。
そんなころにコーチングと自己基盤を知りました。
父への手紙。父からの手紙。
未完了の講座の中で半年、父や家族の話をしました。
（今思うと未完了そのものではないかもしれない）
他人（家族）を自分の思うようにコントロールしようとする自分がいること。
一般的な正解があると思って、それを当てはめて解決しようとする自分がいること。
親には親の人生があること。そしてその人生はもう長くないから、親の好きなように過ごしても良いということ。
他人をどうにかする前に、自分がどう思っているのかを伝えること。
そんなことを講座を通して、考えて、実行して、報告していました。
そして父に手紙を書きました。
私は、お父さんの体が心配だから、お酒を辞めてほしいと思っている。
父から返事がきました。
私の考えは分かった。でもお酒は辞められない。
不思議なもので、がっかりしませんでした。
十分でした。
父から手紙をもらったのは初めてでした。
小学生のときの学校へのお便りの返事も書かないくら筆不精な父でしたから。
だから、返事が来たのが意外で、それ自体が嬉しかったんですね。
分かったよ、お父さん。
↓その頃の話を書いているまとめ記事。
相変わらずお酒を飲んでいる父
状況は変わらない、が、
その手紙から2年、父は今もお酒を飲んでいます。
飲酒の状態も、良い時もあれば酷い時もあり、それも変わっていません。
相変わらず母はそういう父に対してイライラしているし、グチも多いです。
私自身も実家に帰るとウンザリしたり、イライラして、そんな自分に自己嫌悪をするのも相変わらず。
じゃあ自己基盤って意味無いのか？
そうじゃない。
自己基盤は魔法ではありません。奇跡もおきません。
他人は変えられません。
でも、自分の他人との関わり方が変わります。他人の状況への受けとめ方が変わります。
それは、自分が自分自身と関わっていくことで、自分の状況への受けとめ方が変化するからです。結果、他人との関わり方も変わります。
今の私は、両親の状況について、まぁいいかな、と思えたりもしています。（思えないときも当然あります）
状況が変わらなくても、自分の関わり方、受けとめ方が変わるだけで、こんなにも楽になるもんなんだな。
ノンアルコールビールで晩酌を
初めに書いたように、今回はノンアルコールビールを2本買って実家に帰りました。
1日目、父にノンアルコールビールを勧めたけど、断られたので1人で飲みました。（父は普通のアルコールを飲んでました）
2日目、父が1本目にノンアルコールビールを飲んでたので、何だかんだんで、気を使ってくれたのかな、と思いました。（2本目は普通のアルコールを飲んでました）
ささやかなできごとだけど、嬉しかったな。
お父さん、ありがとう。
コーチングや自己基盤に興味ある方
オリエンテーションとお試しセッションもやってます。
